ピクニック気分で楽しめる♪ ハンプトンコートパレス・フラワーショウ2014

2000年前後のイングリッシュガーデン・ブームのときに、インテリア雑誌の編集でガーデニング担当をしていました。そのとき、「いつか機会があれば行ってみたいな」と思っていたのが、ハンプトンコートパレス・フラワーショウ。当時、仕事でチェルシー・フラワーショウに行く機会があり、その華やかさ・洗練度に大感激!「ハンプトンコートパレスもおすすめだよ」と聞かされて、漠然と憧れを抱いたわけです。が、当時はまだイギリスのこともよく知らず、ロンドンからは少し距離のあるハンプトンコートパレスへ気軽に行けるとも思っておらず(笑)、開催される7月は仕事の繁忙期でもあったので、自然にあきらめてしまっておりました。
 
と、前置が長くなってしまいましたが、そんな15年来(!)の夢だったハンプトンコートパレス・フラワーショウ。2014年は、7月8日~13日の開催でしたが、3日目の11日に行くことができました! 撮れたて?体験リポートをお届けしたいと思います。
 
王立園芸協会RHSが主催するイベントとして、5月のチェルシー・フラワーショウはすっかり日本でもおなじみになりましたが、同じRHSの主催で7月に行われるハンプトンコートパレス・フラワーショウ。イギリス王室の宮殿のひとつ、ハンプトンコートパレスが会場です。ロンドンからはWaterlooウォータールー駅から鉄道で30分くらいのところにあり、Hampton Court駅から宮殿までも徒歩15分ほどです。オイスターカードも使えるので、鉄道の切符を買うわずらわしさもなく、意外に気軽に出かけられると思います。さて、とりあえず宮殿の入り口から会場を目指そうと思ったのですが、まず驚いたのが会場入り口までが遠い!こと。それはそうですよね、宮殿の建物の裏にある広大なガーデンを利用して会場が設営されているのですから、建物の向こう側まで延々、歩かなければなりません。私は、午後3時から7時半までのチケットを購入していたのですが、すでに帰路につく人がさまざまな花苗やガーデンオーナメントを手に歩いてきます。そののんびりとした様子に、「焦らなくていいんだ」と落ち着きを取り戻し、ゆっくりと会場へ。15分ほど歩いてたどりついた会場は、案の定、大勢の人でごった返していました。
 
まずは会場見取り図を確認。フラワーショウと言えば、日本人デザイナーも数々受賞しているショウガーデンが有名ですが、それ以外にもたくさんのテントが出ていて、ナーサリー、ガーデンデザイン会社、ガーデンファニチャー、ガーデンオーナメント、コンサバトリー会社などなどがサンプル展示や販売を行っています。すご~く大きな見本市会場といった感じでしょうか。各社ごとのブースとは別に、巨大なマーキーもあり、花苗ばかりを集めたところ、フード関連、そして雑誌「Country Living」のマーキーもありました。
 
会場全体は、大きく「Escape」「Grow」「Inspire」の3つのテーマで構成されていて、来場者が興味に合わせて回れるように、それぞれのゾーンに関連するテントやマーキー、ショウガーデンが配置されています。が、私としては、やはりめったにない機会なので(笑)、とりあえず片っ端から見て回りました。
 
見どころであるショウガーデンですが、「Escape」ゾーンにあるガーデンは、そこで過ごすことを目的にしたガーデンデザインが目につきました。テーブル&チェアはもちろん、薪ストーブやキッチンがあったり、バーベキューの炉があったり・・・。決して広くはないスペースをうまく仕切り、見る角度によって違うシーンをいくつも作りだすあたりも、さすがガーデニング大国です。テーブル&チェアの形もそうでしたが、植栽にも円形や曲線を取り入れたデザインも多く、全体に、おだやかな“調和”を感じました。受賞したガーデンの数々は、ぜひ、こちらでもご覧くださいね。
2014 RHS Hampton Court Palace Flower Show awards
 
16時に入場して閉場の19時30分までのたっぷり3時間半。途中、休憩しながらも歩き続けられたのは、飽きることがない展示の内容もさることながら、とにかくいたるところに配置されている、ベンチや食べ物のスタンド、巨大なピクニックエリアなどなどのおかげだと思います。歩いている人と同じくらいの数の人たちが、ゆったりと座って(ときには芝生の上に直接!)過ごしているのです。チェルシーのときは、ガーデニングの最新情報を見に行く!という目的がある感じがしたのですが、ここは「フラワーショウに行く」こと自体が娯楽になっているような感じ。生バンドの演奏もあるし、ピムスをはじめ、アルコールを売っているスタンドもあります。
 
また、平日の午後ということもあってか、高齢の方たちが多かったのですが、杖をついている人も車いすの人も、ご自分のペースで、休み休み、楽しまれているようでした。私自身、日程上、キャリーバッグをゴロゴロ引きながら歩くことになってしまい、最初は迷惑をかけてはいないか、気が気ではなかったのですが、買いだしのためかキャリーを引いている人も多く、ベビーカーの人もいるし、そのうち「気をつけていればいいか~」という気になりました。それでも、キャリーがぶつかったり、けつまずく人もいて、大慌てで謝ろうと振り返ると、逆に「sorry!」と声をかけられました。お互い様、という気持ちなのでしょうか、ゆったりとした雰囲気で、とてもいいな~と感じました(日本では、非常識ね!という目でにらまれたことでしょう)。
 
ロンドンは見どころが多くて、短い旅行では郊外にまで足を延ばす機会が少ないかもしれませんが、ハンプトンコートパレス・フラワーショウは、郊外ののんびりした雰囲気も味わえて、すてきな経験ができると思います。チケットはウエブサイトで購入できますので、事前に手配できるところも安心です。また、ハンプトンコートパレス自体も見どころいっぱいですので、たっぷり一日かけて楽しまれるのがおすすめです(くれぐれも大きなバッグは、ホテルに置いてきてくださいね。笑)。Hampton Court Palace 

Photo&Text:
「英国ライフ倶楽部」エディター
藤岡信代

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